僕とぼざろ、光と影、光と闇の竜(ライトアンドダークネスドラゴン)
ぼざろの話していい?するね
さすが旬を過ぎた頃だとは思いつつもまだまだ熱冷めやらぬといった印象を受けてる
最近のアニメにしては珍しく下馬評をひっくり返しての大バズりにて大逆転で駆け抜けた作品だった。
最初に見たのはアマプラで2話が配信された直後だったけど2話見ただけでもう原作全部買ってアンソロまで買っちゃって久々にどっぷりハマった作品だった。
どこが気に入ったんだろう?ファーストインプレッションは綺麗な作画でよく動くしテンポがいい作品だなって思った。
原作でもきららとしては割とシャープな絵柄ではあるんだけど、アニメだとより線は細く、でも女の子の柔らかさは残したキャラデザだった。けろりらさんは神です。
ライブシーンを初めとした作画に関してはもう話すところもないくらい完成度が高くて、現役バンドマンの人達もこぞって褒め散らかしてるからきっとミクロな所までこだわってるんでしょう。機材だとか詳しい事はよく分かんないからすごい人がすごいって言ってるからすごいんだろうなって思ってる。
けど何より際立っていたのは演出だと思う。
まさに遊び心満載といった演出。時々挟まれる実写だったりパロだったり。Twitterで流れてくる制作裏話を見てても限界まで面白くしようっていう熱意が伝わって来て嬉しくなった。
原作が4コママンガというのもあって、起承転結の細かいコントが続くといった構成のおかげか終始笑顔の耐えない、退屈な時間の無い30分になっている。
全話通して笑いあり、エモあり、涙ありの文句の付けようのない覇権アニメになった。
そんなぼざろの中で特に心に刺さった演出がは光と影”。
そもそもぼざろが押し入れの中で孤独を歌う少女が大きな舞台で光を浴びる為に仲間と頑張るって話なのでここに気合い入れてくれたのは凄く良かった。
特に気に入ってるのは6話の路上ライブシーン。
後藤ひとりが初めて”後藤ひとり”として人前で演奏をするというターニングポイントな訳ですが、今までずっとギターヒーローとして自分の部屋で、時々押し入れでギターを弾いてきた後藤。
”いつも暗い環境で弾いていたからいける”と人目を恐れて目を閉じたまま演奏するが、目を開けお客さんは敵じゃないと理解した時に街灯が灯いて演奏に拍車がかかるこの一連の流れで初めてギターヒーローでは無く”後藤ひとり”を世に知らしめる訳ですよ。しかも周りには後藤の事を知る人間はいない、人見知りでまともに目を見て話せない陰気な少女では無くギタリストとしての腕前を評価してもらってチケットを買って貰い、ノルマを達成した。後藤が培ってきたものが報われる素晴らしいシーンです。
それと8話の居酒屋前での虹夏との会話シーン。
タイトル回収ばかり注目されがちですが一連の流れにも光と影の演出が。
1話の頃から日陰にいた後藤を日の元へと引っ張り出した虹夏ですが場面開始時には日陰に。
下手側:影(虹夏)/上手側:光(後藤)
「ぼっちちゃんがギターヒーロー、なんだよね?」
自身の夢を語る虹夏。自分がいかに後藤の存在に救われてきたのかを話すシーンでは、虹夏が陰に。
後藤も虹夏もバンドをやりたいという気持ちを持っていて、2人共互いが互いの存在のおかげでバンドを組めたと思っている訳で、公園では後藤の気持ちに。そしてここでは虹夏の気持ちにフィーチャーしているんだと解釈しています。
そしてギタリストとして結束バンドを〜という決意表明と共に後藤の顔に差す影が消える。
そして位置変化。
「ぼっちちゃんのロック、ぼっち・ざ・ろっくを!」
下手側:影→光(後藤)/上手側:光(虹夏)となります。こえ〜〜〜〜よ。
そしてエンディングでは押し入れの戸は開いて陽が当たり、公園、学校の謎スペース(名称不明)にも光が差して朝が降る。
この転がる岩、君に朝が降るの楽曲パワーも然ることながらここに繋げる為の導線作りが素晴らしくて柄にもなくアニメで泣いてしまった。ホントにぼざろで泣くとは思わなかったから自分でびっくりしてしたよ。
まぁもっとこだわって作ったところあるんだろうけど自分ではこれくらいしか感じ取れなかった。
最初の方共感性羞恥で見るのしんどくなることあるかもしれないけど5話過ぎた辺りからホントにオモロ加速してくるから頑張って見て欲しい。僕誘ってくれたらウォッチパーティー付き合うから声掛けてくれ。ホントに。